5月5日は子どもの日ということで、支援家族の子どもが集まり子どものための会議、名付けて「子どもサミット」が都内某所にて開かれました。こちらも100日間アクションの一環です。今回の会議の参加資格は小学生5年生以上高校生以下ということもあり、会議に参加した子どもの数は10数名となりました。参加した子ども達の国籍はフィリピン、中国、男女比はほぼ半数です。
会議といってもやはり子ども会議。常に子どもパワーが炸裂で進行担当の事務局スタッフもた、た、た、大変です。子どもサミットの最終ミッションは当事者である子ども達の生の声を集めて、法務大臣に聞いてもらうことなのですが、子ども達は子ども達の世界で子ども論理で一生懸命生きている訳ですから、大人の事情で大人の世界で通用するコトバに翻訳するのは至難の技です。
ワールドカップでどこの国応援するー?と訪ねても、必ずしも「日本」やお父さんお母さんの僕である「フィリピン」「中国」といった大人の期待する回答が帰ってくる訳でもなく、笑顔で「ブラジルぅー」とか答えられてしまったりします。また、法務大臣の先生に何をしてもらいたいかと訪ねても、「戦車で☆&○♯ー!ウギャー!」と理解不能な展開になってしまったり...
大人の期待を裏切るかのように子どもサミットは子ども達が子どもの世界で子どもながらも一生懸命に生きていることを明らかにします。彼/女らは入国管理法の知識なんてもちろんないし、国籍、国家、パスポート、滞在資格などの理解も大人とは異なる思考回路で理解します。そのため、大人が納得してなおかつ感動するようなコトバで自分の考えや意思を伝えるのはまだ得意じゃないかもしれないけれど、少なくとも自分達がなんだか大変な状況に置かれてしまっていることはきちんとわかっています。また、家族と一緒に暮らし続けたい、友達と離れたくない、行ったことも無い国で暮らすのははとても不安といった気持ちは、決して大人に媚びてとりあえず言ってみたというような物ではありません。
子ども達は両親に対して怒っていないと口を揃えていいます。冷静に考えればそれはそのはずで、子ども達は普通に日本に生まれて、日本で育ち、日本籍の子どもと同様に時にはレールを外れちゃうこともあるかもしれないけれど、普通に学校へ行って、普通に暮らしているだけなんです。そのような普通の生活をさせてくれる両親はむしろ感謝の対象であるわけで、怒りの矛先を向ける相手ではないということなのでしょう。