2009年4月1日水曜日

イフカタール家族


家族構成

父(パキスタン出身)
母(フィリピン出身)
長女(8才 日本生まれ フィリピン国籍)
長男(2才 日本生まれ フィリピン国籍)

父、ナディムさんが日本に来日したのは1988年です。15日間の滞在が認められ入国しましたが、期限が切れた後も日本に残り、溶接工などをして暮らしてきました。また、母親のアレリさんが日本に来たのは1996年です。彼女は短期滞在の在留資格で90日間の滞在がみとめられ入国しましたが、ナディムさんと同様に期間更新をすることなく超過滞在となりました。

日本で知り合った2人は1997年より同居するようになります。パキスタン、フィリピン両大使館に婚姻届けも出しています。次女アズカちゃんが生まれるあたり、今までのように違法状態のまま日本社会に隠れて住み続けるべきではないと考え、2006年8月14日に東京入国管理局に在留特別許可を求めて自ら出頭しました。2007年1月には在留を認めないとの裁決がくだされ、ナディムさんのみ収容されました。翌年3月には東京地裁に提訴し、10月にはナディムさんの仮放免が認められました。

イフタカール家族の場合、父親であるナディムさん(パキスタン国籍)と母親であるアレリさん(フィリピン国籍)の国籍が異なります。家族に対して強制退去が執行された場合、父と子はパキスタンに、母はフィリピンに送還される可能性が高く、家族が引き離されてしまうことが想定されます。仮にアレリさんがパキスタンに送還された場合でも、パキスタンの政情はとても不安定であり、子どもらに危険が及ぶ可能性を両親は危惧しています。一方、ナディムさんがフィリピンに送還されたとしても、今まで一度も暮らしたことのない国で、現地の言葉を勉強しながら、仕事を探し、家族を支えていくということは、簡単に成し遂げられることではありません。日本で長い時間をかけて培ってきた溶接の技術もフィリピン、あるいはパキスタンにおいて十分に生かすことができるかも定かではありません。